2019.08.15

ベーシックケアとは?

ベーシックケアは基本的な色修復で、外観を気にされるお客様に一番人気のメニュー!

当店開設6年目の2021年には、エルメスのベーシックケアが10,000点を突破、同時にシャネルのベーシックケアも7,000件を突破し、

単純計算でもエルメスは月間平均138件、シャネルは月間平均97件ご依頼をいただいているという事になります。

では、ベーシックケアとは何をするのか?

まず、色修復対象部分です。よくご依頼頂くモデルを例にしますと・・・

 

・エルメス バーキン

外面全体革部分(ハンドル・クロアベルト含む)クロシェット、フラップ裏面

 

・シャネル チェーンバッグ

外面全体革部分、外フラップ裏面、チェーン内の革ひも

 

どちらも収納部分や金具などは含みませんが、フタを閉めた状態で見える外面だけではなく、フタを開けて正面から見える外フラップ裏面や、

デザインによってはフタを閉めた状態で完全に隠れてしまうロック金具(ひねり金具)が付いている面まで入っているのが、当店のベーシックケアの特徴です♪

 

次に、ただ塗るだけでしょ?と思われがちな作業内容をご紹介します。

①表面クレンジング

まずは専用クレンジング剤や薬剤などで汚れを除去します。
しっかりとクレンジングすることで、革の染色ムラなどを防ぎます。

 

②傷・擦れ補修

傷や擦れなどがある場合、そのまま補色を行うと仕上がりが不完全になってしまいます。

そのため、革面を丁寧に整え、傷や擦れを極力目立たなくさせます。(革の性質上、深い傷・シワ・ひび割れ・型崩れ(反りやゆがみ)・ヘコミは元に戻りません)

 

③色修復

染色・補色工程ですが、まずは比較的元色が残っている部分の色を参考に、染料や顔料を調合し、元の色をベースに2~3種類作っていきます。
元色だけを一気に塗ってしまうと、全体がまだらになったりするため、前段階として濃淡を調整して、ある程度均一な色にするベース補色を行います。ベース補色後は顔料や染料の浸透具合を確認しながら補色していきます。

 

④保湿

革製品は保湿を怠ると劣化やひび割れの原因になってしまいます。
ただ保湿すれば良いという訳ではなく、革の特徴にあわせた保湿剤を、革の状態にあわせて保湿しないとシミの原因にもなるため、専用保湿剤で慎重に油分や栄養分などを補給させます。

 

⑤艶調整・仕上げ

本来の艶を参考に、革の表情に合わせて艶を調整します。

艶あり艶なしなどご希望がありましたら事前にお知らせください。

 

⑥オゾン除菌

通常、カビ処理専用として使用していたオゾン室ですが、コロナ禍の中少しでもお客様に安心・安全をご提供する意味もあり、2020年4月より全ての完成品を一定時間オゾン室内に保管しております。

 

「塗るだけですか?」と聞かれることが度々ありますが、色修復する上で少なからず①~⑤は必要な工程ですので、当店では工程を一つ一つ記載するのではなく、「ベーシックケア」としてご案内しております。

順番は状態や革によって異なりますが、

ただ塗るだけではないのでご安心ください!

※ポイントケア(部分色修復)は3工程のみとなります。

 

また、当店ではエルメスは専任職人制を導入しております。

専任職人制にする理由の一つは、エルメスのご依頼が全体の約半数を占めていること、もう一つは、不安が付きものの宅配修理に安心してお出し頂くためです。

ブランドによって色も革も様々。
エルメス専任職人は200種類以上におよぶエルメスカラーを把握し、全国屈指のカラー再現度を誇ります。

 

最近は手軽に塗れる革用顔料も市販されていて、器用なお客様はご自身で補色される方もいらっしゃいます。

手軽に安く塗るには良い物だと思いますが、すぐひび割れて来た!色が合わず収拾がつかなくなってしまった!とご相談頂く事がこの頃増えて来ました。

 

また、リペア業者さんも以前に比べかなり多いですが、中には絵の具や市販のアドカラー、靴墨を塗るだけだったり、

実績や技術力の低さを言葉巧みにごまかしてしまうという所もあるとリピーター様から伺います・・・

同業者としては悲しい限りですが、早くて安い!など、依頼された方が満足され、喜ばれているのであればそれでも良いのかな?と、これを書いている中の人は思っています。

 

ただ、前処理や配慮が足りず、ホコリや繊維が塗装面に付着したままのもの、元色と全く違う色のものなど、他店での失敗品に対してご相談いただく事がこの頃かなりありますので、

そういったご相談を頂く度に、価格はともかく、当店に先に聞いて頂けたらなぁ・・・と思う事も少なくありません。

「思い出の品」「とても大切」と思う品物はぜひ一度当店にご相談ください。